特集 - 裁かれるべき政府と福島県知事の大罪
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SPEEDI 隠蔽 重要!!
原発事故直後、『SPEEDI』(緊急時迅速放射能影響予測)により放射性物質の拡散被害が予測されたが、政府と福島県により隠蔽されたため避難指示に充分に生かされなかったのが、この「積算放射線量試算マップ」(2011年4月25日公表/文部科学省)だ。
しかも、同時に『SPEEDI』は、ヨウ素による1歳児の甲状腺内部被曝の積算放射線量試算マップも算出していたにもかかわらず、一部の市・町を除いて甲状腺被爆による健康被害を防ぐためのヨウ素剤は適切に配布・処方されなかった。
2011年9月21日発表の実測に基づくヨウ素131の土壌濃度マップが、上記の SPEEDI の予測とほぼ同じ拡散分布となっていただけに、悔やまれるところである。
ただ、原子力安全委員会は、3月13日10時46分に政府対策本部に「安定ヨウ素剤服用を促す」FAXを送った(右図)としており、これが事実なら1号機爆発時には間に合わなくても(下記時系列)その後の爆発には備えることができたはずだが、実際は何も指示されなかった。
3号機爆発(3/14/11:01)
4号機爆発(3/15/06:00頃)
2号機破損による放射性物質拡散(3/15/0610頃)
こうした行政の不作為が、住民の被爆被害を増大させる結果を生んだことは、国家による犯罪といえる。
一方、7ヶ月経過した10月9日になってようやく福島県で18歳以下の36万人の子供を対象にした甲状腺検査が始まった。(『福島 子どもの甲状腺検査開始』NHKニュース(既にリンク切れ))
児玉龍彦氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)は、TV番組で、SPEEDI の拡散予測が、実は徹夜で解析されていたことなどに言及している。(10/23/2011加筆)
事故から9ヶ月も経過した12月23日、震災と原発事故への対応について検証を続けている文部科学省は、放射性物質の広がり方を予測する「SPEEDI」のデータが当初、公表されなかったことについて、「公表するべきだった」とする見解を改めて示した。
しかし、「何故、公表されなかったのか」や「公表しなかった(隠した)ことにより多くの人々を無駄に被爆させたことの責任の所在」についての言及はなかった。
さらに、文科省は年が明けた1月16日、国会の事故調査委員会でSPEEDIで得られた放射性物質の拡散予測結果について、国内での公表より先に米軍に3月14日から外務省経由で提供していたことを明らかにした。(1/17付「日経新聞」参考記事:『SPEEDI(放射性物質の拡散予測)、米に先に提供 国会事故調で文科省』(既にリンク切れ))
先に被爆を強いられる我が国の国民ではなく、アメリカを向いて仕事をする公僕たちの姿がここにあると言えよう。
昨年10月~12月にかけてフジテレビ「ニュースJAPAN」が放送したシリーズ『福島最前線からの報告(クリックするとポップアップウインドウが開きます)』は、原発事故直後、放射能拡散予測SPEEDIを政府や福島県が隠蔽したことで無駄な被爆を強いられたことやアリバイづくりのような被曝検査への福島の住民たちの怒りと悔しさを、インタビューを通じて伝えている。(テーマごとに5回に分かれており各7分前後の映像)
- 『放射能から子供を守る』警戒区域からの報告~子供の内部被ばく”揺れる母子”(2011.10.26)
- 『崩壊の危機にある地域医療』被災地 “命の砦” 崩壊の危機(2011.10.27)
- 『故郷を守るための決断』故郷再び…自力除染に託す思い(2011.11.29)
- 『放射能の危険が迫った4日間』知らされなかった被ばくリスク~その責任と償い~(2011.12.22)
- 『ホットスポットと生きる子供達』(2011.12.23)
2月28日に公表され、「120億円のSPEEDIは原発を立地する際、住民の安心を買うための『見せ玉』にすぎなかった」と厳しく批判した民間の福島原発事故調査委員会の報告書によると、SPEEDIの件で菅前首相ら当時官邸トップだった5人の政治家は「所管する文部科学省などから説明がなく、事故から数日たってもその存在すら知らなかった」と証言しているが、上述にように事故直後から徹夜で解析され米軍にも提供されていたほど重要なSPEEDIデータを彼らの誰もが知らぬはずはなく、偽証と言えるのではないか?(参考記事:『福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)報告』2/29)
この民間事故調の報告が出て関係者も白状しやすくなったのか、当時、文科省高官らが「敢えて国民には公表しないこと」を申し合わせた記事『文科相ら「公表できない」SPEEDIの拡散予測(3/3)』も報道された。また、福島県は3/11の事故当夜から放射能拡散の予測データをメールで入手していたのに住民には公表しなかったことも、記事『福島県が拡散予測消去 3/11当夜から受信5日分(3/21)(既にリンク切れ)』で明らかになっている。
にもかかわらず、これまで国会でSPEEDIに関して度々質問してきた社民党党首の福島みずほ氏が、あらためて政府に問いただした質問主意書と答弁書を2012年4月10日付ブログで公開したが、その答弁書によると、上述の記事にある2011年3月19日付文書に明記された2011年3月15日の文科省会議で、政務三役らが『SPEEDI試算結果を一般には公表できない内容であると判断した』ことを認めていないとぼけぶりだ(答弁一の1)。いかにも往生際の悪い官僚の「東大話法」族ぶりである。
やっと訴追の動きが出てきた。
浪江町が、 SPEEDI情報提供について国や県に対し刑事告発を検討(4/11FNNニュース)しているという。捜査当局が動かない以上民間でやるしかない、法治国家たりえないお粗末さだが、被告発人らは今なお国家の中枢でこの国を操っている。
犯罪というべきこの事件は、いまだに捜査も始まっておらず、また誰も責任をとっていないどころか、A級戦犯である原子力ムラと政府が原発再稼働に向けて暴走を始めている。(04/11/2012編集人加筆
)
動画2.情報隠蔽、政府内で責任のなすりつけ合い 必見!!
動画3.生かされなかった「切り札」-甲状腺の被爆を抑える安定ヨウ素剤 必見!!
記事:
※ヨウ素剤投与はなぜ行われなかったのか?
記事:南相馬の真実「ヨウ素剤があったのに与えなかった理由」(9/22/2011)
記事:
記事:1号機水素爆発-住民には知らせず逃げた大熊町議会の人々(11/27/2011)
つまり、3月11日に津波が襲い原子力緊急事態宣言が出された直後から、SPEEDIが緊急事態モードで拡散予測を開始、翌12日には、ベント作業を行った場合や原子炉爆発が起きた場合、大量の放射性物質が北西方面へ流れることが予想されたにもかかわらず、適切な避難誘導がなされないままにベントを開始し、3月12~15日の3度の水素爆発後もSPEEDIの予測データを活かさず単純な(半径~キロ圏外といった)同心円だけで住民の退避指示を行うという怠慢かつずさんな国家の不作為があったということだ。
*参考ブログ:NYタイムズ・AP通信「SPEEDI隠し」告発報道 | すべては気づき
質疑の中で、原子力安全技術センターの数土理事長は、事故発生後、原子力安全・保安院と原子力安全委員会の指示によりSPEEDIの試算と報告を開始したと答えている。また、事故翌日の3月12日、菅前総理が福島原発の視察をする直前や原発のベントの前に、原子力災害対策本部の要請でSPEEDIによる予測図がつくられていることを森議員が指摘している。
ただ、SPEEDIの最大の目的である住民の避難には、活用されなかったのである。


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小出裕章氏(京大原子炉実験所)
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